About Uni-Fi SLIM LINE
90周年を迎えたELACが新たに挑むベンチマーク・スピーカー
2015年にアンドリュー・ジョーンズの移籍第1弾として発表された「Debut LINE」はその圧倒的なコストパフォーマンスで、高い人気を得ると共にエントリークラスに置けるELACの新しい方向性を示す意味でも大変重要なシリーズとなりました。そして、その方向性をさらに推し進めたアンドリュー・ジョーンズ移籍第2弾である「Uni-Fi SLLIM LINE」をご紹介いたします。
「Uni-Fi SLIM LINE」に採用されたドライバーは全て新たに設計されました。特にアンドリュー・ジョーンズが得意としてきた同軸ユニットには、彼の今までの経験が遺憾なく発揮されており、集大成とも言える出色の完成度です。彼は、「Uni-Fi SLIM LINE」について次のように述べています。「私はDebut LINEでいかに制約あるコストの中で人々を驚かせるパフォーマンスを出せるかにチャレンジしました。Uni-Fi SLIM LINEは通常であれば非常に高いコストを要求される同軸ユニットを、ELAC社の高い技術力と生産能力によって手に届きやすい価格で実現しました。サウンドの素晴らしさはもちろん、現実的なサイズ、美しいデザインを併せ持つ事によって多くの人に喜んでいただけるスピーカーに仕上げました」。
「Uni-Fi SLIM LINE」はユニットだけでなく、スピーカー・ターミナルといった細かい部分まで新たに設計されました。そのクオリティの高さに驚いていただけると思います。90周年を迎えたELACは「CONCENTRO(860万/ペア・予価)」というフラッグシップを発表しながらも、マーケットにとって重要である普及価格帯にも渾身のニュー・プロダクトを同時に投入する姿勢こそ、ELACが世界中に多くのファンを獲得している一番の理由なのです。
マイスターが手がけたハイ・パフォーマンス・モデル
Andrew Jones (アンドリュー・ジョーンズ)
KEFにて11年、Infinityで3年、そして1997年よりTADにて17年にわたりスピーカーを設計してきた40年近いキャ
リアを持つ世界で最も優れたスピーカー・エンジニアのひとりです。豊富な知識と経験を併せ持っており、2003年
に手がけたTAD-M1といったハイエンド・スピーカーから、エントリー・クラスのスピーカーまで幅広く手がけてき
ました。2015年ドイツELAC社に入社し、同年10月Debutラインを発表。そして2016年には得意とする同軸ユニ
ットを用いたUni-Fi SLIM LINEを設計。
カスタム設計 Uni-Fi COAXドライバー
Uni-Fiシリーズの代名詞である同軸ユニットは、繊細さと正確なハーモニクスを実現した25mmのシルククロスドーム・トィータと、100mmの高剛性アルミ・ミッドレンジによる新開発ユニットです。高域の再生を受け持つトィータと中域を受け持つミッドレンジをコイル内に同心円状に配置するこの手法は点音源化を狙いとし、左右のスピーカーから出現する音像の定位を正確なものにします。マグネットにはこの価格帯としては異例とも言える強力なネオジウムマグネットを採用。フラットな周波数特性と高いパワー・ハンドリングと相まって、Uni-Fiシリーズの高いイメージング能力を引き出す重要なユニットです。
バランスのとれた3ウェイ設計
フルレンジ・ユニットを用いたスピーカーにとって、3ウェイの設計は非常に多くのメリットがあるとELACは考えています。トィータ、ミッドレンジ、ベースウーハー、高・中・低の帯域にそれぞれ、専用ドライバーを割り当てる事により、各ユニットが受け持つ帯域の周波数に余裕を持たせ、滑らかなつながりを得られるためです。
Uni-Fi COAXドライバーは、トィータの持つ高域特性をスポイルすることなく、周囲に配置されたミッドレンジとのスムースなつながりを確保。それぞれのモデルで低域の再生を受け持つ135mmウーハーとのアッセンブルに、音質を重視したシンプルなネットワークを用いることができ、伸びのある低音を得られるのも、この3ウェイ設計の利点です。
洗練されたアルミ・ウーハー
Uni-Fi SLIM LINEに採用される135mmのウーハーは全て、リニアリティに優れたアルミニウム素材が用いられています。良好な動的性能を得るため39mmのボイス・コイルと大型のフェライトマグネットが採用されており、正確なロングストロークを実現。パワー・ハンドリングに優れ、フロア型、ブックシェルフ型問わず、スピーカーにクリアで強靭な低域再生をもたらしています。
不要な鳴きを排除する強固な設計のキャビネット
Uni-Fi SLIM LINEの筐体はオリジナルのUni-Fi LINE (日本未発売・USA仕様)に比べて、厚みのあるMDF材を使用
しており、内部空間の強度アップを図り、エアー・コントロールに大きなメリットを持たせています。厚みのあるM
DF材を使用しながらオリジナルUni-Fi LINEと同様の内部容積を確保するためのキャビネットを新設計。追加された
専用のブレーシングは、 Uni Fi SLIM LINE だけの独自構造です。ELACの上位機種である260LINEや400LINEに採
用されたクロス・フレームキャビネット技術でその効果が実証されたこのブレーシング加工は、内部容量を確保しつ
つキャビネットの鳴きに由来する不要な振動や再生音への色付けを大幅にカットすることを可能にしています。
また、「SLIM」という名前の通り、横幅を抑えて奥行きを多めに取ったキャビネットは300LINEに代表されるELA
Cの得意な手法であり、外観の美しさに加え、定位感と空間表現の良さに大きなアドバンテージをもたらしています。
美しさを追求したサテン・ブラック仕上げ
Uni-Fi SLIM LINEのキャビネットの特徴は音質を追求した厚みのあるMDF材を使用しただけではありません。オリジナルのUni-Fiに採用されているブラック・ビニール・ブラッシュド仕上げとは異なり、かつて190LINEに用いられていたサテン。ブラック仕上げを採用しました。コストパフォーマンスとデザインを両立し高い人気を誇った190LINEの正当な継承モデルとして、高い満足感を湛えた仕上がりも、Uni-Fi SLIM LINEの大きな魅力の一つです。
クロスオーバー回路
音質を決定づけるクロスオーバー回路には、数多くのオーディオグレードの高品質パーツを採用しています。各ユニ
ット間の滑らかなつながりを実現する事によって、音場感や3ウェイの最大のメリットである下まで伸びた深い低域
の再現を獲得しています。
カスタム設計のスピーカーターミナル/マグネット着脱式サランネット
Uni-Fi SLIMに併せて新たにカスタム設計されたスピーカー・ターミナルは接続のしやすさと導電性に注目して設計されており、安定した結線と信号伝送のために最適化されています。
また、本体とサランネットはマグネットを用いた着脱方式を採用。ピンや差込み穴を持たないフロントパネルは、すっきりとしたUni-Fi SLIM LINEのデザインをより際立たせます。
BS U5 SLIM
「ブックシェルフと言えばELAC」。高い完成度を誇るフロアスタンディング・スピーカーや巨大なフラッグシップ・スピーカーを開発し、そのどれもが世界中で賞賛されているにも関わらず、そんな声が聞かれるのは、いかに過去に発表されてきたELACのブックシェルフ・スピーカーが世界中で高い評価を獲得し、ユーザーに愛されてきたかの証拠かもしれません。そんなELACにとって新しいブックシェルフの発表はいつも特別なものです。BS U5 SLIMはアンドリュー渾身のUni-Fi COAXドライバーと特別に設計されたアルミ・ウーハーによって、ELACにとって初の小型ブックシェルフ3ウェイスピーカーとなりました。ELACが得意としてきたクリーンでハイスピードなサウンド、スリムな設計による広大な空間表現、定位感はそのままに新たに余裕たっぷりの低域を獲得したのです。BS U5 SLIMは大ヒットを予感させるELACの自信作です。