Profile
ターレスで示した圧倒的な性能をより身近にするため、新たなアイディアを持ち込んでデザインされたトーンアームがSimplicity(シンプリシティ)です。三角形のターレスの定理をもとに考案されたTHALES(ターレス)と違い、Simplicityは四角形のテトラゴン・ソリューションをアイデアの基本としています。
そして2014年。
初代のSimplicityをさらに進化させたThales Tonarmの最上位モデルとなるtype 2が完成しました。オリジナルよりわずかに長く設計された2本のアームによって、オフセット・アングルを19°にまで減少させ、トラッキング・エラーは脅威の0.06°(従来は0.08°)となりました。改良はカルダン・ベアリングにも及び、従来のカルダン・ベアリングに発生した不均衡な負荷での想定外機械的エネルギーを排除するため、全てのボール・ベアリング内部に補正用ボール/ラバー・エレメントを追加しました。このTTF(ターレス・テンション・フリー)と呼ぶ新たな技術によって得られるサウンドは、非常に緻密で安定感のあるものになりました。さらにハンドリングの向上も著しくVTA、アジマス調整は容易にそして正確に行えるようになり、カートリッジのセッティングに用意されるサイトユニットも位置出しが簡単になりました。そして出力端子はDIN端子となり高い汎用性とはって陰性を備えた製品となりました。Simplicity Ⅱはミッハ・フーバ自身によりくみ上げられ、使用される100個以上のパーツは、スイスで最も近代的なプロセス・エンジニアリングで製造されています。
Detail
幾何学:トラッキングエラー
初代Simplicityよりわずかに長く設計された2本のアームによって、オフセット・アングルは19°まで減少。そして、トラッキングエラーは驚異の0.006°(従来は0.008°)となりました。図面は9インチ~12インチまでのアームとSimplicityのトラッキングエラーを示した図です。Simplicityの結果がどこにあるかわかりますでしょうか。0°の軸上に書かれた値。いかに、一般的なアームに比べてトラッキングエラーが少ないかをご理解いただけると思います。
ベアリング
THALESでは長い開発研究期間を経て、伝統的なルビーベアリングの利点(ダンピング、ワンポイント接点)とボールベアリングの利点(抵抗、鋭角)を併せ持つ新しい精密なボールベアリング技術を開発しました。従来のカルダン・ベアリングは不均衡な負荷(特に傾斜軸)が、想定外の機械的エネルギーを発生し、サウンドを濁してしまう場合がありました。そこで全ての傾斜部品を補正し、かつ2つのベアリング間の最小軸の誤差さえバランスを保つために、全てのボールベアリング内部に、補正用ボール/ラバー・エレメントを追加しました。このTTF(ターレス・テンション・フリー)技術は、非常にクリアなサウンドを提供し、音楽的改善をもたらします。この設計のメリットとして、操作時の振動や輸送時の振動に対して、高い衝撃吸収性能をも獲得することができました。
VTA
VTA調整は、従来支柱をネジで固定するスタイルでしたが、新たにクランピング・メカニズムを開発。シンプルな構造ですが、支柱を面で抑える事が可能となったため、調整の容易さに加え、サウンドパフォーマンス向上にも大きく寄与しています。
アジマス調整
アジマスはアジャストスクリューを用いて、±2°で正確に調整する事が可能となりました。
サイトユニット
カートリッジのセッティングに用いるサイトユニットは、新しいデザインが採用され、より簡単にカートリッジを正確な位置にセットできるようになりました。
出力端子
出力端子は新たにDIN端子を採用。同時発売の「THALES PHONO CABLE DIN1.5M」フォノ・ケーブルを初め、様々なメーカーのケーブルをご利用いただけます。